新型コロナ治療薬最有力候補「レムデシビル」!販売間近か!?
新型コロナウイルスの治療薬として「レムデシビル」が今注目されています。
安倍首相は4月7日の会見で抗インフルエンザ薬「アビガン」について、新型コロナウイルス感染者本人の希望や病院の倫理委員会の了承があれば使えるようにする考えを表明されてます。
「アビガン」に次ぐ有力な治療薬候補「レムデシビル」とはどういった治療薬なのでしょう。
「レムデシビル」とは?
アメリカの製薬会社『ギリアド・サイエンシズ社』がエボラ出血熱を対象に開発中の治療薬「レムデシビル」。
低分子化合物(核酸アナログ製剤)で、ウイルスのRNAポリメラーゼ※を阻害する作用を有しています。
※巨大なたんぱく質複合体で、DNA上を移動しながらその塩基配列をコピーしてRNAを合成する、転写の役割を担っています。
「レムデシビル」はエボラ出血熱の治療薬候補としてギリアドが開発しましたが、他の治療薬と比べて有効性が確立することができず、承認取得までにはいたらなかったとのことなのです。
新型コロナの治療薬として承認されるのか?
その「レムデシビル」の臨床試験を進めている米シカゴ大学医学部によると、新型コロナ患者125人(重症者113人を含む)にレムデシビルを毎日投与したところ、発熱や呼吸器症状が著しく改善され、1週間以内に、死亡した2人を除く全ての患者が退院できたと4月16日に報じています。
ギリアドサイエンシス社は「この薬は治験中のもので、世界のどの国でも認可・承認されておらず(新型コロナウイルスの治療薬として)安全性や有効性は確立していない」としていますが、すでに横浜市立市民病院などの国内3つの施設で14日から治験が始まっています。治験は日本だけでなく、感染者数が特に多いアメリカやイタリアなど合わせて、4000人を対象に確かめていくということです。
未承認の薬はどうやって販売されるの?
開発される薬はどうやって承認されるのでしょうか?
1つの薬を開発するのに要する期間は、9~17年といわれています。研究対象となったほとんどの候補物質は、途中の段階で開発が断念されるほど、薬の開発を成功させるのはたいへん難しいことなのです。
①基礎研究として薬の候補となる化合物をつくり、その可能性を調べる研究に2~3年を要します。
②非臨床試験として、薬となる可能性となる新規物質が体の中でどのように吸収されて体内に分布していくのか、どのような影響を与えて体の外へ排泄(はいせつ)されていくのかなどを観察したり試験を行ったりするのに3~5年を要します。
③臨床試験として非臨床試験を通過した薬候補が、病院などの医療機関で、あらかじめ同意を得た健康な人や患者さんを対象に繰り返し試験を行い、データ収集をして、薬としての可否を判断します。だいたい3~7年を要します。
④薬として有効性・安全性・品質が証明された後、厚生労働省に対して承認を得るための申請を行います。
厚生労働省では、医薬品医療機器総合機構に審査を依頼し、その審査を通過した後に、学識経験者などで構成する薬事・食品衛生審議会の審議を経て、厚生労働大臣が許可すると、医薬品として製造・販売することができます。
ドラッグストアなどに陳列されているたくさんの薬も、実は長い時間と費用を費やして作られたものなのですね。
★まとめ
新型コロナウイルスの治療薬として注目されている「レムデシビル」ですが、承認されるまではまだ時間がかかりそうです。
緊急事態宣言が出され外出自粛しているにもかかわらず、感染者は増える一方です。
治療薬ができたからといって必ずしも感染が収縮するとは限りませんが、精神的不安感は緩和されるのではないでしょうか。