『第三のビール』って??ビールと発泡酒との違いをわかりやすく解説
酒税法改正に伴って、2020年10月1日より第三のビールやワインの値上げが実施されました。
今までお酒を嗜む習慣のある方にとっては厳しい状況になっているのではないでしょうか。
ところで、問題渦中の『第三のビール』という言葉はあまり聞き慣れない言葉ですが、発泡酒とどう違うのでしょうか。『第三のビール』と「ビール」はどうちがうの?といった疑問をわかりやすく解消していきたいと思います。
「第三のビール」とは?
『第三のビール』ってそもそも何なのかというと、「ビール」「発泡酒」に続くビールです。『新ジャンル』とも呼ばれます。
といわれてもよくわからないのでもっと詳しく説明すると、ビールは原料に麦芽が3分の2以上使われています。そして、麦芽の使用率が3分の2より小さいものを発泡酒と呼びます。
発泡酒はビールと第三のビールの間にあたるので「第二」のビールということになります。
では、第三のビールとはどういったモノを指すのでしょうか。
・原料を「麦・麦芽」以外の穀物で作っている
・発泡酒に別のアルコール飲料を混ぜたモノ(スピリッツ等で割った飲み物)
※スピリッツとは、焼酎、ウイスキー、ブランデーなど
「麦・麦芽」以外の原材料から造られている飲み物、ということはもはや「ビール」ではないのですね。
酒税法改正
では、「ビール」と「発泡酒」と「第三のビール」の違いをもう少し詳しく説明しましょう。
その違いはズバリ!!飲み物に含まれる「麦芽比率」です。
👆麦芽比率
引用:mikakukyokai.net
近年馴染み深い第三のビールの麦芽使用率は0%ですね。
しかしなぜ「麦芽比率」によって名称を変える必要があったのでしょうか?
それには、お酒に対してかかる税金「酒税法」が関係しています。
👆👆「酒税法」は、1958年(昭和28年)に国税庁が作った法律です。その「酒税法」は、お酒に入っている「麦芽」の量・割合(%)に応じて税金がかかる仕組みになっているのですが、酒造メーカーはお酒にかかる税金を下げてもっと美味しく安く飲めるビールを造ろうと考えた結果生まれたのが、麦芽使用比率を50%未満に落としたビール風味の「発泡酒」ですね。
「発泡酒」は、値段が安く、味もビールとほぼ同じということで、爆発的に売れました。
そうなると国税庁も黙っていません。
「発泡酒」に対しても税金を取れるようにと、2018年4月に法改正をしてきました。
すると酒造メーカーはさらにと対策を講じた結果誕生したのが、さらに麦芽の使用比率を抑えた『第三のビール』なのです。
しかし国税庁がさらにと、「2020年10月に『第三のビール』も値上げします」ということになったのです。
どれほど値段が改正されたかというと、第三のビールの税額は350ml缶1本あたりおよそ10円高くなった一方、ビールは7円の引き下げとなりました。
ほかには、ワインは引き上げ、日本酒は引き下げとなりコロナ禍中ということで自宅飲みが増加する現状、少なからず影響が出てきそうです。
ビール税率はどうなるの?
2020年10月から実施された酒税改正では、第三のビールは350mlあたり約10円増税されました。
第三のビールの税率が当分この税率で進むかと思いきやすでに2026年までの予定が組まれています。
どういう予定かといいますと、2023年10月には発泡酒の定義に含まれることで9.19円増税。2026年10月にはビールの税率に統一されることで7.26円増税される予定なのです。
一方で、通常のビールは減税となり、2020年10月には350mlあたり7円、2023年10月には6.65円減税。20206年10月には発泡酒と統一され、最終的には酒税は54.25円に統一される予定です。
引用:ssnp.co.jp
これまでバラバラだったビール系飲料の税率は、2026年10月までに段階的に統一されるということですね。酒造メーカーと国税庁の「いたちごっこ」が2026年に終わりを迎えるわけです。
世間の声
今回の税制改正について世間の声はというと、「第三のビールと普通のビールの値段があまり変わらないのであれば、普通のビールを飲む。一番の魅力は安さなので」という第三のビールの魅力である”安さ”が失われてしまったとの意見が多いようです。
一方では「普通のビールは安くなるんだから、ビールに原点回帰できるいい機会」「第三のビールの味が好きで飲むならいいけど、高いけどおいしいビールを飲む方がいいと思う」といったポジティブな声も多いようです。
中には「第三のビールが普通のビールの味に近づいてきた段階で税率が上がるのは、開発企業の努力を無駄にしているのではないかと思ってしまう」という声も見られています。
引用:xn-p8jj1a2n.com
まとめ
『第三のビール』について説明してみましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の酒税法改正はビール好きの方にとっては聞き流せない内容だったはずです。
しかし、酒税が統一される2026年までにはまだ時間があります。
とりあえず冷凍庫でビールジョッキをキンキンに冷やしましょう。
第三のビールを注ぎましょう。
美味しくいただきましょう🍻🍻