シャム猫になりそうなブログ - にほんブログ村

冥婚という風習 台湾での「赤い封筒」は要注意!

f:id:mumiyan:20200614233314j:plain
引用:Twitter


「冥婚」という言葉をご存じでしょうか?

結婚、未婚、既婚、離婚などはよく使われる言葉ですが、「冥婚」はあまり馴染みのない言葉ですよね。

Twitterではこの「冥婚」が話題となっています。


昨日、赤い封筒が道に落ちていました。が、私みたいに「お金かな?」と喜んじゃう人は要注意です!これ、おそらく冥婚です。(Twitterより引用)



このツイートの発信者は、台湾在住のゴダさんという方で、道に赤い封筒(紅包)が落ちていたら注意が必要だと促しています。

赤い封筒がすでに珍しいので、道で見かけると拾ってしまいそうですよね。「冥婚」とはどういったものなのでしょう。

 

冥婚とは?


「冥婚」とは、別称鬼婚(きこん)幽婚(ゆうこん)ともいわれ、東アジアから東南アジアなどに未だに残る風習です。特に中国、韓国、台湾などでは伝統的な行事、神事として扱われることもあります。


神話や伝説における冥婚の物語は冥婚譚とも呼ばれ、世界に広く存在する。 古代エジプトにおける、弟に殺された太陽神オシリスと生ける女神イシスの死後の世界での結婚は、最もよく知られた冥婚譚の一つである。2神は生と死で分かたれながらも夫婦として交わり、一子ホルスを儲けている(cf. オシリスとイシスの伝説)。 ギリシア神話でも、冥界の女王である女神ペルセポネーを妻にしようとした生者のペイリトオスが盟友テーセウスとともに大神ハーデースが待つ冥府へ赴くが、これなどは果たされることなく終わる冥婚である。
三国志』の魏伝にて、曹操の八男曹沖の葬儀にあたって、同時期に亡くなった甄氏の娘の遺体をもらいうけて曹沖の妻として埋葬したという記述がある。曹沖は13歳という若さで未婚のまま夭折したため、その霊を慰めるために同じく未婚のまま死んだ少女と結婚させたと考えられる。(ウィキペディアより)

 

そもそも、古代宗教の神話に見られる冥婚譚は世界中に広く分布しており、死と生、彼の世と此の世に隔てられた者同士が結ばれるという帰結の伝説、神話の物語です。

この冥婚譚は、単なるお話に留まらず現世においても風習として残っているのです。

若くして亡くなった子供のために、あの世で添い遂げる「伴侶」を用意するーーーー。
未婚で亡くなった若者の魂を弔うために亡くなった男女が挙式をあげる。

 
日本では、1949年に法律として正式に禁止されましたが、一部の地域では秘かに根差し、儀式として残っているのが実情です。


習俗として


死者を弔う際に、その魂がまだこの世にあるうちに、それと見立てた異性と婚礼をあげさせ、夫婦として死の世界に送り出すものです。
対象となる死者は基本的に未婚男性でありますが、既婚男性や未婚女性の場合もなかにはあります。

「冥婚」は、あくまでも死んだ者同士を結びつけるものでしたが、近年では、生きた人間と死者を結婚させるケースもあるといいます。

最も過激な形として、結婚相手は命を奪われ夫婦として共に埋葬されるケースもありますが、全てがそうではなく、同時期に亡くなった未婚女性と結婚させて共に葬る場合もあれば、人間の女性に見立てた花嫁人形を遺体と共に棺に納める場合もあります。

f:id:mumiyan:20200618212650j:plain



ムサカリ絵馬とは?



「冥婚」の風習は日本にも残っており、山形県村山地方に伝わる「ムサカリ絵馬」はその代表的な風習といえます。

若くして亡くなった人のために、架空の人物との結婚を描いた絵馬を寺に奉納する風習を「ムサカリ絵馬」といいます。

「あの世で幸せになってほしい」という、残された家族の想いがムサカリ絵馬には込められているんですね。

では、死者が生前、想いを寄せていた人物を絵馬に描くのがいいのではないかと考えますが、あくまでも架空の人物との結婚画とされています。
生きている人物を絵馬に描いてしまった場合、描かれた生者は死者にあの世に連れていかれるとか。

ほかにも、青森県では「花嫁人形」沖縄県では「グソー・ヌ・ニービチ」といった冥婚風習が残っています。

mumiyan.hatenablog.com

 

mumiyan.hatenablog.com

 

紅包(ホンバオ)


それでは、冒頭に出てきた赤い封筒(紅包)ですが、中国ではお年玉やご祝儀を紅包(ホンバオ)に入れて渡す風習があります。

台湾では、紅包の中に亡くなった女性の髪の毛や写真、爪、お金、生年月日・干支が書かれた紙などを入れて、拾った男性と結婚させる風習があり、見つけても気軽に手に取ってはいけません。

知らずに拾ってしまうと、物陰に隠れていた遺族が、紅包を拾った人を捕まえて、結婚を迫ります。拾った人は冥婚に同意したとみなされます。

結婚することとなった場合は、簡易的な結婚式を行います。費用はすべて相手持ちとなります。実際に戸籍上での結婚をするわけではなく、占いで亡くなった人との相性をみて、位牌に名前を入れるという慣習だそうです。

また、冥婚をした後でも、生きている人と結婚でき、冥婚に応じると開運するとも言われています。

かなり強制的な結婚儀式でありますが、回避方法もあり、ご祝儀200元(約3000円)を渡して「素敵な相手がみつかるように」といえば拒否もできるようです。

終わりに


台湾で赤い封筒が道に落ちていたら要注意というのはよくわかりましたが、実際台湾で紅包袋が落ちていたのを観察していた人によると、掃除の人がチリトリで回収しゴミ箱に捨てましたが、その後何かが起こるわけでもなかったようです。そんなこともあるんですね。

かといって必ずしも何も起こらないというわけではなく、冥婚を目的とした紅包袋をうっかり拾ってしまうことも大いに考えられます。

台湾では『うっかり』のときのために、常にポケットに200元用意しておきましょう。

f:id:mumiyan:20200618213443j:plain

 

にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村 その他生活ブログへ