デング熱とは、ワクチンはあるの?
引用:jp.trends365.net
新型コロナウイルスの感染拡大が続くシンガポールで、デング熱が大流行しています。
感染症がダブルで起こっている状況で、気温が高めでウイルスを媒介する蚊が繁殖しやすかったことが、デング熱まん延させることとなったとみられています。
新型コロナウイルスがいまだ衰えない中、更なる感染症となると予防徹底が必須となり、精神的にも追い込まれてしまいます。
シンガポールの建設現場では、デング熱の感染拡大を防ぐために殺虫剤を散布したりとデング熱対策を行っています。
万が一インフルエンザなどほかの感染症が更に発生するとなると「二重苦」「三重苦」「四重苦」となり医療現場が危機的に逼迫することとなり、シンガポール政府は徹底した感染症対策を実施することを余儀なくされています。
そのデング熱ですが、どういった感染症でどのような症状がでるのでしょうか?
デング熱
★感染経路
引用:jplus.sg
デング熱は、ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介し、ウイルスをもった蚊に刺されることによって感染します。
デングウイルスには4つの血清型(1~4型)があり、たとえば1型に感染した場合、1型には終身免疫を持つことができますが、他の型のウイルスに対しての免疫は数か月ほどで消失してしまうので、その後、他の型に感染する可能性は十分にありえます。
他の型に続けて感染した時に重篤化する傾向があるといわれています。
直接的なヒトーヒト感染はありません。
★潜伏期間
潜伏期間(感染してから症状がでるまでの期間)は 通常4~7日ですが、ときに2週間後に発症することもあります。
要するに、デング熱の流行地から戻ってきた旅行者が、帰宅してから14日以上経ったあとで、発熱やその他の症状が出始めた場合、デング熱である可能性は低いということです。
★症状
急激な発熱で発症し、発疹、頭痛(特に目の裏の痛み)、骨関節痛、嘔気、嘔吐などの症状がみられます。
重篤な症状として、出血症状や胸水、腹水などがあり、死亡する場合もあります。とくに15歳以下の小児では多くみられる傾向にあるので注意が必要です。
★治療法
根本的な治療法やワクチンは存在しないので、熱に対して解熱剤を使ったり、頭痛に対しての鎮痛剤を使ったりといった症状緩和が治療の中心となります。
★予防
デング病には感染予防ができるワクチンが存在しないため「いかに蚊に刺されることを防ぐか」が重要ポイントとなります。
ウイルスをもつネッタイシマカは、通常屋内に生息し、ベッドの下やカーテンの裏、浴室などの暗くて涼しい場所に潜んでいます。
旅行などで発生地域を訪れた場合は、こうした場所にデングウイルスをもつ蚊が潜んでいることも大いに考えられるので、殺虫剤を散布して蚊を駆除したりした方がよいです。
また、蚊に刺されないように虫よけスプレーなどを活用することも大きな効果があるとされています。
★流行
引用:niid.go.jp
デング熱はここ10年で劇的に拡大しアフリカ、北・中南米、地中海東部、東南・南アジアおよび西太平洋の熱帯・亜熱帯地域で多くみられる感染症です。
流行地に渡航して感染した例が年間170~300例報告されています。
日本では、「海外渡航で感染し、帰国後に発症」といった「輸入症例」がほとんどであります。
しかしながら、2014年に国内でもデング熱のウイルスをもつ蚊が、東京都渋谷区の代々木公園で見つかり、感染者が100人を超えて全国に広まっています。
おわりに
国内にデングウイルスをもつ蚊がいるとは思えませんが、国外から少ない確率で国内に入ってくることも考えられます。
蚊に刺されることが多いと感じる人は少し注意してみて下さい。